ミュージカル「アニー」が好きすぎて②~2017観劇レポート
だいぶ期間が開いてしましました!すみません。。
ミュージカル「アニー」
後編として2017年公演の感想をお届けします!!今回はさらにマニアックに。舞台を見た方向けに書いていきたいと思います。というか見てない方はわからないかも・・・流し読みしてください。笑
演出家をはじめとしたスタッフ陣が16年ぶりに一新しました!!
アニーの舞台は、これまで大きくは、1986~2000年までは篠﨑光正氏、2001~2016年はジョエル・ビショッフ氏による演出によって公演されてきました。
私がアニーを見始めたのは2007年からですので、篠﨑光正氏のバージョンは見たことはありません。ただ、私の友人によると、かなり違ったとのこと。2017年からは第3バージョン、山田和也氏をはじめとする陣営となりました。
スタッフ陣はこちら ↓↓↓
役割 | 2001-2016年 | 2017年~ |
---|---|---|
脚本(原作) | トーマス ミーハン | 同じ |
作曲(原作) | チャールズ ストラウス | 同じ |
翻訳 訳詞 |
瀬戸千也子 伊藤明子 |
平田綾子 |
演出 演出補 |
ジョエル・ビショッフ 伊藤明子 |
山田和也 ー |
音楽監督 | 神尾修 | 佐橋俊彦 |
振付 | ボビー吉野 | 広崎うらん |
美術 | ピーター・ウルフ | 二村周作 |
照明 | 沢田祐二 | 高見和義 |
舞台監督 | 長沼仁 | 小林清隆・やまだてるお |
これを見るだけでも、まったく異なる人たちによって新たなアニーが作られたことがよくわかります。和訳も最初からしなおしたとのことで、台詞回しもかなり変わってました!
こう思うと、舞台って、役者はもちろんですが、作り手側含めたみんなの観点の集合によって具現化されるものなんですね~!!
曲目ごとの変化点・感想(ネタばれ含む)
おぉっと思った箇所の感想を書いていきます。
※記憶違いがあればご指摘お願いします!
第一幕
overture
新バージョンではかなりアップテンポになってました。しっかり演奏されてて好印象でした。
Maybe
ベッドが2段ベッドへ変更。旧バージョンでは、モリーを寝かしつけながら座りながら歌っている時間が長かったような気がしますが、新バージョンでは早々に立ち上がりソロで歌いだします(早朝なのにw)しっかり歌っています。
It's the Hard-knock Life
孤児たちがかなり踊ってました。モップを円を組んで交換する演出はなくなってました。今年の子たちの特長なのか演出効果なのか子供だけのシーンでもしっかりプロでした。脱出シーンでは、洗濯袋に入れて運ばれる→台車のまま運ばれる。おかゆ→どろどろスープという台詞に。
Tomorrow
基本的に同じ。あ、アニーがりんごを譲ってもらってかじるシーンがなくなってました!切なくて好きたっだのですが。
We'd Like to thank You Herbert Hoover
旧バージョンではなかったこの曲が復活してました。世情への嘆きがしっかり歌われてます。選挙で選んだのにぜんぜんだめってところはいつの時代も変わらない構造なのですね。
Little girls
旧バージョンでは、間奏の部分で孤児たちのいたずらなどが描かれてましたが、新バージョンでは、後半は子憎たらしい子供のイメージとして孤児がずっとバックで踊っています。ハニガンの心の様子を映し出しているのでしょうか。
I Think I'm Gonna Like It Here
ウォーバックス邸、旧バージョンでは舞台装置は赤階段がある1パターンでしたが、新バージョンでは何パターンかありました。玄関?と階段ありなど。メインカラーは前は赤と金、今回は黒と金。イメージカラーが大人っぽくなりましたね。
N.Y.C.
タップキッズとダンスの女神のシーンがなくなりました(!)基本的に群舞シーンのみになっていて、そこにダンスキッズとして子供たちもたくさん入ってます。余談ですが未来のスターの女性が、肉厚な女性で結構衝撃でした。
You Won't Be an Orphan for Long
ウォーバックスが自分の人生を語るシーン、かなり語ってるなぁという印象を受けました。前進ばかりを考えて生きてきたから、ときには人を裏切ってきたことも告白していましたね。
ロケットペンダントのシーン、かなりテンポ速め。アニーといえばこのシーンの心情表現が肝みたいな印象でしたが、変な重さ・緊張感がなかったです。あと、新しくもらったロケットペンダントを箱から取り出さないため、床にも投げてなかった(衝撃)しかしアニーとウォーバックスの心情はしっかり伝わってきました。「普通の子と同じように両親と暮らしたいんだ」というアニーの思いが泣けました。
休憩中
休憩の最後に、客席と次のシーンで使う"プラカード上げて拍手"の練習をしました。これはいい!
第二幕
Tomorrow (White House Version)
大統領のお別れのとき、旧バージョンほっぺにキス、新バージョン「ありがとう」としっかりお礼を言ってました。日本語のありがとうって思いが伝わる言葉ですよね。
I Don't Need Anything but You(Reprise)
ここでもしっかり踊ってました。ウォーバックスも踊ってて、次のシーンでも息が上がってて、とても大変そうでした・・・!パーティーの乾杯シーンが本物のオレンジジュースではなかったため、アニーが両親出現にショックを受けて走り出すシーンでもオレンジジュースこぼして拭くのシーンがなかったです。オレンジジュース持って階段駆け上がってたけど違和感は無し。
A New Deal for Christmas
ウォーバックスとグレースさんの恋愛について、旧バージョンでは「結婚しよう」と言葉で言ってましたが、新バージョンではそっと手をつなぐ演出になってました。日本人に受け入れやすい感じ。
あと、捕まった悪役3人、旧バージョンでは囚人服でクリスマスツリーに繋がれてましたが、新バージョンでは天使になってクリスマスボックスからサンディと一緒に登場!死んだってこと!?それとも本当の心ということかしら。。
アニーの髪型が変化
これ!結構重要です!!なんてったってアニーのトレードマークのあれ。
旧バージョン:最初はストレートボブで、パーティー場面のおめかしでくるくるパーマに。
新バージョン:もともと赤毛のくるくるで伸びっぱなしから、おめかしで短いくるくるヘアーに。
これは、新バージョンの方が絶対自然!!いっつも「おめかしでくるくるパーマってなんでやねん」って思ってましたから。笑
全体を通して
旧バージョンは高さ、新バージョンは奥行きを使った演出が多かった印象です。新バージョンは大掛かりな舞台装置はない分、画面の切り替わりがスムーズで、テンポがよかったです。全体の印象は、テンポ早め、さくさく進んで自然で楽しい感じです。
大人も子供もしっかり歌う、しっかり踊る。子供たちもプロそのものだったことに感動!!!
ジョエル氏:子供らしい子供を描く、山田氏:リアル感の演出なのかなぁと思いました。
色使いがカラフルでかわいい感じから、鮮やかで大人っぽい感じへ。アニーの赤いドレスもベルベッド生地に。お金持ちになった感がめちゃ出てました。台詞ひとつ取っても日本人に受け入れられやすい表現への変更がされていたのも好印象です。
最初に書いたとおり、作り手が「どんなアニーを作りたいか」によってまったく異なる舞台ができあがっていたことに、すごく神秘を感じました。だって、こんなに細かく指摘してもしきれないほど、まったく違う舞台ができあがってるんです。そして、もちろん、今までの30年分の蓄積があっての、今回の新しいバージョンともいえます。
一観客としてこんなにも違いをわくわく楽しませてもらったこと、たくさんのエネルギーとパワーを投入して、今回新しいバージョンを作り上げてくださったスタッフ役者の皆さまに心より感謝申し上げます。
結論:やっぱりアニーが大好きだ!!!
来年以降、この舞台がどう育っていくのか、バージョンアップがとっても楽しみです。あ、その前に夏公演もありますね!地方公演、見にいってみたいなぁ。。
以上、2回にわたってお送りしたミュージカルアニーの感想でした!
本当はアニーの時代背景の記事も書こうと思っていたのですが・・・こちらが詳しいので、ご紹介させていただきます。
お読みいただきありがとうございました!
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Written by miwa(@miwa_spring33)
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