平昌オリンピックを現地観戦してわかったこと④

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2/14~2/24にかけて平昌オリンピック観戦に行ってきました!

現地観戦記の第4回です。

 

第1回 きっかけ/最初の気づき
第2回 江陵の街との出会い/初めて国旗を振ってみた
第3回 大会運営について感じたこと

 今回は最も感動した場面について、レポートします。

女子スピードスケート500mを観戦

 

今大会で最も胸を打たれた場面・・・もちろん目的であるフィギュアスケートの試合も感動&大号泣だったのですが・・・

 

それは女子スピードスケート500mの現地観戦で起こりました。小平奈緒選手と韓国・イサンファ選手のストーリーです。

 

「せっかく行くんだから他の競技も見たいな!金メダル候補になっている小平選手の試合を見に行ってみよう!」こうして幸いにも、会場で観戦することができました。

 

初めて会場に入った瞬間「オーバルリンクってすごく広い。。」とあっけに取られました。そして、このコースを走り抜けながら、コンマ秒数を争うスピードスケートは、本当に自らとの戦いであることを実感しました。

 

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客席からでは写真におさまりきらないほど。

 

 

試合が始まると、さらに驚くべき状態に。

 

地元イサンファ選手への応援が凄すぎる

 

1万人入るオーバルリンクの客席は、90%が韓国人という印象だったでしょうか。みんな国旗を振って、熱烈に応援していました。ホームの中のホームというものすごい状況です。

 

イサンファ選手は、五輪2連覇中。今回で3連覇がかかる大スター選手。韓国の方々の応援が本当に熱く、登場したときや練習のときでも大歓声が上がっていましたし、会場全体がイサンファ選手の滑りに期待していました。

 

そんな環境のなか私は「果たして小平選手とイサンファ選手は自分の滑りができるのだろうか??」と固唾を呑んで見守っていました。

 

最初に滑ったのは小平奈緒選手。私の席は、スタート直後にカーブするショートサイドの真ん中。ゴール直後にもすぐ顔が見える位置でした。小平選手は、目の前を力強い滑りで駆け抜けていきました!

 

結果はオリンピックレコード!!!圧巻でした。すごすごる・・・なんて人なんだろう・・・・ 

 

日本人の応援団の席では、大きな歓声が上がりました。

 

そんな中、小平選手は日本の歓声に向かって「しー」というポーズをしました。次に滑るのがイサンファ選手で、集中を作ってあげたかったのだと思います。この気遣い思いやりに、とても感動しました。

 

 

Embed from Getty Images

 

 遠すぎてカメラに写りきらなかったので、Getty Imagesさんより

 

そしていよいよイサンファ選手

 

イサンファ選手が走っている40秒間、会場は大熱狂でした。

熱狂の渦。とにかくものすごいのです。

 

この渦のなかで、まず滑りきったイサンファ選手を、私は心から尊敬しました。

 

結果は第2位。観客が一気にシーンとなり、残念だった・・・という空気に包まれました。

 

そんな空気のなか、小平選手が涙を流すイサンファ選手に駆け寄り、「チャレッソ(頑張ったね)。リスペクトしているよ」と声をかけ抱き寄せる、あの感動的な一場面が起こります。

 

 

Embed from Getty Images

 

 

 

本当に本当にイサンファ選手はよく頑張ったと思います。苦しい状況の中、ホームの熱狂的なあの大歓声のなかで、力を出し切ることがどれだけ大変だったか。それも銀メダルを獲得して。

 

そして小平選手とイサンファ選手が並んでのウィニングラン。客席からは大歓声です。

 Embed from Getty Images

 

私はその美しい姿に、客席で涙を流していました。なんて美しいんだろう・・・


試合後には、お互いを思いやるエピソードもたくさん出てきました。

 

試合後の会見より

小平選手「いつも親切です。3年ぐらい前にソウルでW杯初優勝をした時に、試合後すぐにオランダに戻らなくてはならないことがありました。

リンクから直接空港に行かなければいけない時に、イ・サンファ選手がタクシーを呼んでくれた上に、空港までのお金を出してくれました。本当は悔しいはずなのに。

奈緒を助けたいという真摯な思いがすごくうれしかったのを覚えています。人としてもスケート選手としてもすごく尊敬ができる友達です」

 

李相花選手「キュートなお答えをありがとう。奈緒さんは、2007年頃に韓国の私の家に遊びに来てくれました。すごく仲が良かったので誘いました。彼女とレースをするときに悪い気持ちになったことはありません。

タクシー代を払った時も、彼女が勝った試合の後だったけど、決してネガティブな気持ちにはなりませんでした。友達だから。私が日本に行った時はいつも面倒を見てくれます。プレゼントもくれます。私は和食が好きだから、日本食も送ってくれます。特別な友達です」

https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2018/02/18/kiji/20180218s00078000621000c.htm

 

小平選手単独の会見より

スポーツは言葉の要らないコミュニケーションだと思っています。

やはりスポーツは世界の人たちの心を動かすものですし、他国の選手と競い合って高めあっていく中で、スポーツの究極の姿と言うものがたくさんの人の心を動かすと思うので。

そういった中で競い合うことも大事なんですけれども、お互いの国の文化を知ったり、お互いの言葉を知ることでさらにスポーツが楽しさが増すといいますか、他の国の選手はこのスポーツに対してどういう思いを持っているのかとか、どういう文化を持っているのかを知ることは、競技を高めるで必要なのかなと思っています。

"夢成し遂げた" 小平奈緒記者会見 全一問一答 | SPORTS STORY | NHK

 

 

素晴らしいメッセージの数々に、思わず心が熱くなります。小平選手は、オランダに留学した際のエピソードもとても興味深いです。彼女の素晴らしい人間性に、コメントを読むたびに、いつも胸を打たれます。

 

2人ともとても素晴らしいアスリートであり、彼女たち同士の人としての1:1のつながりをとても大切にしています。お互いの背景を含めた深い理解が、本当の信頼関係、ひいては平和を作っていくんだと思いますし、それをあり方で示した彼女たちの姿に、心から感銘を受けました

 

そして、オリンピックというものは、確かに巨大なシステムで運営されてはいるけれど、その動きの中心として人々の感動を巻き起こすのは、間違いなく、

 

選手1人1人の力の発揮・競技に懸ける思い・ひたむきさ・熱い心・自負心・生き方・ストーリー。

 

究極的に人間そのものの姿に心打たれるのだと思いました。

 

そして、そんな思いにぜひ出会いたいという世界中の人々の意志が、オリンピックを成り立たせているんだな。。。と感じました。

 

 

会場の雰囲気と感動が、果たしてどれだけ私の文章で書けたでしょうか。少しでも伝わっていたら、本当に嬉しく思います。

 

今回はここまでです。次回はいよいよ最終回。オリンピックムーブメントについて書きたいと思います。

 

第5回 オリンピックムーブメントの歴史

 

お読みいただきありがとうございました!

 

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Written by
チームワークコンサルタントmiwa