映画『ラストサムライ』~明治維新と令和の時代を考える
2003年公開のアメリカ映画。もう16年前なんですね。
大ヒット映画ながら、ラストサムライという単純なタイトルとトム・クルーズ主演というキャッチ―さに、なんとなく避けて通っていたんです。ど真ん中すぎるタイトルだと、逆に興味が湧かないというやつです。
先日お会いした方とのお話に出てきたので、そういえば観たことないと思い観てみました。
あらすじ
かつて世界がうらやむようなまばゆい男たちが日本にいた。
トム・クルーズ演じるネイサン・オールグレン大尉は、かつて南北戦争で国と名誉のために命を賭けた英雄であった。しかし、今や戦争も終わり、移り変わる時代に取り残されていた。そんな彼が政府に雇われ、サムライと戦うために日本にやって来た。
渡辺謙演じる勝元は、サムライ一族の長であり、深く尊敬されている男だ。明治維新後の日本、押し寄せる近代化の波の中、勝元はサムライの時代の終わりを察知していた。しかし勝元は戦わずして去るつもりはなかった。そして二人の戦士が出会い、運命がひとつに重なった時、歴史の扉が開いた・・・。
Amazon内容紹介より
シンプルに感動できる日本の描き方
本当に見てよかったと思える映画でした!←今さら。
派手な戦いのシーンよりも、武士道を貫く武士たちの立ち振る舞いや日本文化の描き方がとても印象的。
想像していたよりずっと終始静かな空気が流れていました。日本のわびさびや神秘的な心の世界を描こうとしている意欲作で、正直驚きました。
これがトム・クルーズ主演のハリウッド映画だなんて、アメリカの幅広さがうかがえます。
時代が変化するなかで
この映画では、明治初頭の日本を舞台に、お雇い外国人であるトム・クルーズの視点から、時代がどんどん変わりつつあるなかでの侍たちの最後の生き様・死に様が描かれています。
映画を観ながら私は、渡辺謙演じる勝元が西郷さんのようだと思い出していました。彼も変革側にいながらも最後は武士として死んでいった人。実際に監督もモデルとして言及したとのことで納得です。
時代が変化するなかでも守りたかった日本の精神性とはどのようなものだったのか、あらためて考えるきっかけになりました。
令和の時代に明治維新を考える
明治維新からおよそ150年経って、時代は令和になりましたね。
明治、大正、昭和を経て先の大戦も経験し、今私たちは日本と世界をどのように捉えればよいのでしょうか。
大阪で開催されたG20の様子で見ていても、とても融合の世界には程遠いように感じました。
外からの刺激が少なかった江戸時代から、西洋の波が押し寄せて、一気に自分自身を変化させることができた強さが日本にはあります。
もちろん戦後に欧米のやり方を受け入れるなかで、行き過ぎた個人主義や競争社会の結果、不信や不安が蔓延する日本になっていることは言うまでもありません。
でも私はサムライは目で見える範囲ではいなくなったかもしれないですが、その精神性は今なおしっかりと潜んでいると思います。
令和になった今こそ、和の精神、融合の精神、そして祭りのように爆発力ある日本の目覚めのときではないでしょうか。
美しい未来をつくる感動の道をたくさんの方ととともに歩んでいきたいですね!
お読みいただきありがとうございました。
Written by
チームワークコンサルタント miwa