映画『メメント』~人間の本質を描いたサスペンス

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この映画、ご存知でしょうか?

 

2000年公開のアメリカ映画。1時間53分。

監督は、トランセンデンス・インターステラーなどでおなじみの、クリストファー・ノーラン監督。

 

おもしろいよ!!とお勧めされて、観てみたら、私にとっては、めちゃくちゃホラーでした・・・!
確かにおもしろかったんですが。

 

ネタばれすると、完全に面白さが消失してしまうので、見終わった方は、お読みください。

 

Amazonビデオでも見れるようです。

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映画の見どころ

舞台はロサンゼルス。
保険調査員のレナードの家にある日、何者かが押し入る。
彼の妻はレイプされた後、殺害された。
その光景を目撃したショックで、レナードは10分しか記憶を保てない前向性健忘という記憶障害になってしまう。
ハンディを背負いながらも、犯人を捜し出そうとするレナード。
ポラロイド写真にメモを書き込み、事件に関するキーワードは全身にタトゥーとして彫り込む。
しかし謎を追えば追うほど、更なる謎が広がっていく・・・。
はたして、レナードは犯人を見つけることが出来るのか?

 

この映画の見どころは、なんといっても、描き方ですよね。

映画はカラーのシーンと、モノクロのシーンが交互に現れます。

この2種類の映像のうち、カラーのほうは、時間が逆再生で進みます

カラーのシーンは終わりから始めへと進み、モノクロのシーンは始めから終わりへと進む。

時間軸が、両方向あるのですね。ここが観客にとって、本当に難しい。

 

画面暗め、ストーリーも暗めなので、かなり集中して観ないと、何度も途中で脱落しそうになりますが、、

 

ラスト5分で、 すべての謎がわかる。


わかったときの、恐ろしさったら・・・!!(白目)

 

あらすじ(ややネタバレ)

 

主人公のレナードは、10分しか記憶を保てない記憶障害です。

彼の妻はレイプされた後、殺害されたのですが、その犯人を見つけるために、記憶障害と闘いながら、犯人を捜していくんですね。

 

記憶が保てないため、メモやタトゥーなどの記録が手がかりです。

 

記録は、点。その点と点を結ぶ線であるストーリーは、あくまで推察です。

 

新たな記録が現れるたびに、主人公と観客は、翻弄されていきます。

 

過去から遡り、実際の事実が視聴者に明らかになり、線のストーリーが見えたとき。

 

ラスト5分で、それまでの推察は、大きく覆ってしまうのです。

 

描かれる人間の本質とは

 

主人公は極端な例ですが、本質的には、人間共通で起こっていることだと思いませんか?

 

そういう意味で、ホラーだと思ったんです。

 

過去の記憶を、すべて正確に覚えている人は、いません。それが脳機能の特性です。

 

今現在から過去を思い返すとき。

印象的だったこと・嫌だったことなどの、点の思い出を、あくまで自分の好きなようにストーリーテリングしているのです。

 

他の人と自分が、全く同じように認識されていることは、ありえません。

他の人に違うと指摘されたとしても、本人がそう思っている以上、それが事実かのように思い込んでいます。

 

また、視点を変えると、個人的な記憶だけではなく、歴史も同じと言えます。

 

今、残っている歴史の記録は、争いの勝者側のストーリーですよね。

遺跡などから目で見て確認される点と点を、ストーリーでつなげている主体は、今の世界で生き残っている人々です。

歴史認識問題がいつまでも解決しないのも、お互いの観点、見ているストーリーが全く異なっているからなんですよね。

 

そう思うと、自分の記憶や、世界の記録が、いかに曖昧で、まぼろし・ホログラムのようなものか。思い込みの産物なのか。

 

それをこの映画は伝えてくれているというのが、私の見解です。←この意見もまた、ホログラムですね。

 

すごーーーーく面白かったです。

 

このように、人間の本質をわかったうえで、どうやって融合していくかが、これからの人間に求められる知恵だということを、再確認しました。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

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Written by
チームワークコンサルタントmiwa